米国退職年金評議会(PSCA)が先日発表した調査結果によると、確定拠出年金(DCプラン)は自動加入制度や自動掛金引上制度の利用を増やし、加入当初の拠出率(給料の何パーセントを積み立てるか)を引き上げている。
PSCAは2016年(データが入手可能な直近年)、年金プランの59.7%が自動加入制度を設けていると発表した。これは2015年の57.5%から改善しており、自動加入制度を設けていた年金プランの割合が38.4%だった2009年から毎年着実に上昇している。
リサーチ&コミュニケーション担当のディレクターであるハティ・グリーナン氏はインタビューの中で「年次調査は年金プランの運営、設計、投資など多岐にわたる分野を対象にしているが、自動加入制度の利用が増加しているという調査結果は最も注目に値する」と語った。
自動加入制度とともに、自動掛金引上制度の利用が増加していた。2016年に自動加入制度を設けている年金プランのうち、2016年に自動掛金引上制度も設けていた年金プランの割合は73.4%であり、2015年の68.3%から上昇していた。PSCAの年次調査では、自動掛金引上制度も設けていた年金プランの割合が55.2%だった2011年以降、この割合は着実に上昇している。
PSCAの調査では、自動加入制度において加入当初の拠出率既定値を3%(過去に年金基金運営者が設定した最も一般的な率)を上回る水準に設定しているDCプランが増加傾向にあることも判明した。PSCAの2016年の調査では、こうした既定値を3%超の水準に設定している年金プランの割合は、2015年の51.6%から53.5%に上昇していることが明らかとなった。2015年と2016年はいずれも前年から大幅に上昇している。従来の最高水準は2014年の40.4%であった。
PSCAの調査によると、DCプランの平均的資産配分で上位を占めたのは、アクティブ運用の国内株式ファンド(22.9%)、ターゲット・デート・ファンド(22.2%)、パッシブ運用の国内株式ファンド(13.5%)、元本安定型ファンド(8.1%)、バランス型ファンド(4.3%)だった。
今回の調査は、590のプロフィット・シェアリング制度と401kプランを対象とし、そのうち19.2%は5,000人以上の加入者を、また18.5%は1,000~4,999人の加入者をそれぞれ抱えていた。