アリーン・ジャコビアス ·
カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)の理事会は2月14日、新たな年金債務を対象に数理計算上の損益の償却期間を30年から20年に短縮することを採択した。
新方針は、2019年6月30日現在の数理計算上評価をもって効力を発する。
運用資産3,566億ドルで、サクラメントに拠点を置くカルパースが最後に償却方針を変更したのは2013年4月で、その際には特定の未積立債務に対する5年間の「直接的
償却率平準化」規定を付け加えた。今回、カルパースのスタッフが方針変更を提言したのは、従来の償却方針では、債務の支払いが利息の発生をカバーしきれない場合にネガティブアモチゼーション(負の返済)が引き起こされる可能性があることを懸念したためだ。
スタッフが財務・管理委員会に宛てた報告書によると、特定の未積立債務の源泉に対する償却期間を短縮することで平均積立率を引き上げ、市場の下落局面で積立状況を迅速に回復できると予想される。財務・管理委員会は2月13日、変更案を最終決定のため理事会に回すことを承認した。カルパースの6月30日時点の積立率は68%となっている。
償却期間の短縮によって生じる不都合な点は、カルパースに加入している各市の拠出金が増える可能性があることだ。
カルパースのマーシー・フロスト最高経営責任者(CEO)は、償却方針の変更が「将来の世代のために基金を強化する上で重要なステップ」であるとの見方を示した。
同CEOは理事会の投票に先立ち、次のように述べた。「償却方針の変更は長期的に見て雇用主の資金負担を抑え、未積立債務残高の早期減少につながる。しかし、我々は理事会にとってこの決断が難しいものであるとともに、チームにとって理事会に決定を促すことが難しいものであり、雇用主への影響も少なくないことを承知している」。
サウス・サンフランシスコ市の高官は公式コメントの中で理事会に対し、方針変更によって同市が200万ドルの追加負担金を支払うことに問題はないとしながらも、今回の変更が、償却の平準化を含め、全体として雇用主にとって巨額の負担を課すことになる他の方針変更に続くものであることを、カルパースの理事会は考慮する必要があると述べた。